
「犯罪被害者支援とわたし」
公益社団法人京都犯罪被害者支援センター理事 支援局長
冨名腰 由美子 様
「犯罪被害者の支援の現状に関して」と題し、(公社)京都犯罪被害者支援センター支援局長の冨名腰由美子先生にご講演いただきました。講演では、京都犯罪被害者支援センターが公安委員会指定団体であり、京都市・府条例に基づく委託を受けている制度的位置づけが説明されました。また、1980年代の法制定と同志社大学の大谷實名誉教授の尽力に始まる日本の被害者支援の成立史も概観され、その後、電話・面接・直接支援、さらには心・司法・経済・生活にわたる包括的な支援の詳細を紹介されました。特に京アニ事件の公判期対応では、様々な機関との連携した実践例が共有されました。加えて、近年増加傾向にある性犯罪・性暴力、そして家族や近接関係で被害が顕在化する深刻な現状についても注意喚起がなされました。支援の根幹を支える相談員の養成と継続研修の重要性が強調される一方、人材や財源の不足という現実的な課題が提示されました。これに対し、ボランティアの募集や、ホンデリング、寄付型自動販売機を通じた具体的な財政支援参加手段が紹介されました。最後に、今年度開催される支援フォーラム(京都市北文化会館、講師:小西聖子氏)への参加が呼びかけられるとともに、クラブ内での継続的な情報共有と連携促進が確認されました。