2025年11月20日(木):例会

「花をいけるということ」

池坊短期大学 環境文化学科教授
森川 佳代 様

池坊の歴史は、聖徳太子が紫雲山頂法寺六角堂を創建して以来、室町時代には宮中、豊臣秀吉をはじめとする武将たちに花を披露してきた、長い伝統をもつ流派です。
本日は歴史を中心とした堅いお話になるのかと思いきや、森川教授の温かいお人柄とウィットに富んだ語り口調で、「花をいけるということ」について、実際に花をいけていただきながら、大変わかりやすくお話を頂戴しました。
池坊の“バイブル”ともいわれる『専応口伝』に伝えられる教えを現代的に解釈すると、花をいけることで、いける人も見る人も幸せへと導かれ、心豊かになっていく。花と向き合い命を吹き込むことで「生きる」という実感を得、綺麗な花も枯れた花も、万物の存在を寛容に受け止められるようになる。そのような深い教えがあるのだと、非常に印象深いお話をしていただきました。
いけていただいた花の美しさはもちろんのこと、花を語られる教授の笑顔がひときわ輝いておられたのが印象的でした。会員一同、教授の素晴らしいお話に、心からの称賛と感謝の拍手をお送りいたしました。


17階の例会場からの景色。朝焼けに照らされた街並みと雲海を見ることができました。